読売新聞−2001年(平成13年)05月15日(火)

人生案内

過敏性腸症候群に悩む18歳
高校も退学、未来への絶望感募る

 十八歳、無職です。四年前から下痢性の過敏性腸症候群に悩まされ、年々悪くなる一方です。高校では登校できないほどになり、結局退学しました。内科や心療内科に四か所通って検査を受けましたが、薬は飲み続けるうちに当初ほど効かなくなってしまいます。
 今は散歩など体を動かすように心がけています。母親は理解してくれているのですが、妹と祖母の言い争いを聞くとおなかが痛くなります。この病気になったころ、妹にちょっかいを出されたり、学校の友人にべったりされたことが影響しているのでしょう。
 とりあえず高校は卒業しておきたいと思い、通信制の高校を探しています。そのためには、少しでも症状をよい方向に持っていきたいのですが、どうすればいいでしょうか。今は未来への絶望感ばかりです。  (群馬・Y子)

 

過敏性腸症候群には心身症的なところがありますので、心と体の両面から治療が必要です。四年間に四つの病院に行き、服薬の効果は初めだけとのこと。しかし、おそらくは現在も内科のお薬を服用しておられることと思います。
 精神的な面を見ると、下痢が始まったころに妹とトラブルがあり、今も妹と祖母の言い争う声で腹痛があるそうですが、理解のある母親に相談できることは幸いなことです。
 自分でも散歩したり、通信制高校での勉強を考えたり、努力していることは結構です。しかし、身体面とともに精神面は、やはり近くの精神科を受診する方がよいでしょう。自分が行けない時は、母親に行って相談してきてもらうことが望ましいと思います。
 場合によっては、保健所の保健婦やケースワーカーに自分あるいは母親からの電話や、手紙で相談もできるでしょう。母親と二人だけで悩んでいないで、心身両面の相談の輪を広げていって下さい。

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