毎日新聞−2001年(平成13年)04月17日(火)

2月期決算 既存店軒並み減収

 コンビニエンスストア大手6社の2001年2月期決算が16日まとまった。00年2月期に決算期を変更したため比較できないサークルケイ・ジャパンを除く5社すべてが増収だった。だが、既存店売上高はセブン−イレフン・ジャパンなど5社が前年割れ。首都圏を中心に競争が激しくなっているのに加え、外食産業の低価格化が急成長してきたコンビニの業績に減速感を与えている。

■食われる総菜

 既存店の売上高は、ローソンが前年同期比1.7%減と3年連続前年割れだったのをはじめ、00年2月期には同1.0%増だったセブン−イレフンも5年ぶりの前年割れとなる0.2%減となった。原因は、客1人当たりの購入金額が下がっていることだ。セブン−イレフンの場合、既存店の平均客単価は同0.9%減と前年同期(0.2%減)より下げ幅が拡大している。
 売り上げに大きく貢献する弁当や総菜などのファストフードが、「平日半額バーガー」を展開するマクドナルドや牛どん店など外食産業の低価格攻勢に押されている。また、スーパーが営業時間延長に踏み切っている影響もある。新規出店で総売上高の増加は続いているものの、異業種に押され、コンビニの成長が鈍化している。

■″1強″の様相

 一強のセブン−イレフンと他5社といったコンビニ各社の格差も広がっている。セブン−イレフンは売上高で初の2兆円台を達成し、当期利益では同14.9%増と2ケタ増益を確保したが、ファミリーマートやサンクスアンドアソシエイツは減益となった。ローソンも当期利益は5.3%増と1ケタ台の伸びにとどまった。1店舗当たりの1日平均売上高でも、セブン−イレフンが67万5000円なのに対し、他社は50万円前後だ。

■商品開発に活路

 デフレと消費低迷のなか、各社の02年2月期の見通しは、ファミリ−マートが経常利益で、ミニストップも当期利益で前年同期比マイナスを見込んでいる。ファミリーマートは500店の閉鎖を発表しているが、この関連の特別損失65億円を計上する。
 一方、デフレ対策に対しては、「コンビニ業態の強みである品ぞろえ強化などで打開できる」(藤原謙次ローソン社長)など、各社とも商品開発力強化などで対応する方針だ。現金自動受払機(ATM)の店舗設置なども本格化しており、コンビニの独自商戦がどこまで展開できるかが今後のカギだ。                                       【宇田川 恵】

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