毎日新聞−2001年(平成13年)04月16日(月)

仙台市が「産後ヘルプサービス」
 −今夏から1カ月以内の母親対象− 

家事代行で育児支援

 仙台市は今夏から、出産後1カ月以内の母親を対象に、ホームヘルパーを派遣して家事や育児の支援をする「産後ヘルプサービス」を開始する。全国では昨年度、金沢市、一関市(岩手県)など計4市で導入しており、県内では仙台市が初めて。児童虐待などが社会問題になる中、市こども企画課では「核家族化が進む中、子育てに不安を抱える母親の負担を軽減できれば」としている。
 派遣対象は、市内に住民登録している産後1カ月以内の母親。市が委託した民間ホームヘルパーが自宅を訪問し、家事や買い物、他の兄姉の世話などを通して、母親を支援する。時間は1回4時間で、最大10回利用可能。料金は1回3000円程度となる。
 実費は8000円程かかるが、昨年度に厚生労働省が設置した「産じょく期ヘルパーサービス」事業の指定を受ける予定で、半額は国の補助を受けた市が負担する予定だ。
 窓口は各区役所の保健福祉センター家庭健康課。利用者が外出できないことが予想されるため、電話で申し込みなどができるよう検討している。
 同市は「支店経済」ともいわれ、核家族や転勤族が多い。年間約1万人の女性が出産するが、家庭内に相談相手がなく、母親が孤立して育児ノイローゼになるケースも多いという。
 同市で育児情報誌などの編集をしている市民団体「AMC」の伊藤仟佐子代表は「産後の体調が良くないなどで入院を続けると20万〜30万円の費用がかかる。水も触らない方が良いと言われるこの時期に、ヘルパーがこの額で家事を手伝ってくれる制度は、産後の女性の大きな味方になる」と評価している。
 同課ではヘルパーが家庭に入ることで、家を出られない産後の女性の貴重な話し相手になることも期待し「出産・育児の不安を取り除き、児童虐待などの深刻な問題に発展する予防効果も生み出せれば」としている。
                                                                   【飯山 太郎】

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