読売家庭版 2000年12月号 読者の広場

私のボランティア体験

★小さな協力の輪を広げよう★

 幼い子供がいても、仕事で時間が取れなくても、身近で始めやすく、継続できることはないかと考えた時、思いついたのが使用済み切手の収集でした。
 まず、集めた切手がどんなふうに使われるのか知りたいと思い、市役所に問い合わせてみました。すると、きちんとしたシステムがあり、知的障害者の社会啓発や婦人保護施設の支援、海外の医療援助など、さまざまな活動に結びついていること、自分のサポートしたい目的に合わせて参加できることが分かりました。家族や友人たちにも声をかけ、小さな協力の輪ができました。
 自分以外の人を思いやる心が少しずつでも集まれば、大きな力となります。皆さんも、何か始めてみませんか?

           群馬県 小川恭子 33歳 POPクリエーター
★自分の町に愛着がわく★

 私は月末の日曜の朝、近所の主婦グループに交じって町内のゴミ拾いをしています。1時間ほどで、たばこの吸い殻をはじめ、投げ捨てられた缶、瓶、ペットボトル、食べ物の包装紙などで、可燃物、不燃物に分けたゴミ袋がいっぱいになります。
 ゴミを拾った後の町は、さっぱりときれいになり、うっすら汗をかいたホオに、さわやかな風が当たって、なんと心地よいことでしょう。それまでは「仕事を終えて寝に帰るだけの町」でしたが、町内の方々から「ご苦労さまです」などと言葉をかけてもらううちに、「自分が住んでいる町」という意識が深まってきました。
 ほんのささやかな活動ですが、町内にたくさんの友人や知人もできました。さあ、もうすぐ月末の日曜日。朝から元気に頑張るぞ。

                東京都 鈴木一幸 43歳 会社員
★割り切れぬ思いと苦い教訓★

 地区のボランティア団体に登録し、声がかかったのが、ケアセンターでのお弁当作り。大量のお弁当作りはなかなかの重労働なので、だれかが休むと他のメンバーの負担が大きくなります。そこで、学校の行事などでどうしても都合がつかない時以外、休まないように心がけていました。
 しかし、無断欠席の多さに困ってしまうことが度重なりました。「どうせお金をもらっていないのだから」と思ってか、平気で休む人たちがいるのです。さらに、グループの内部で派閥のようなものができてしまい、結局この団体は解散という残念な結果になりました。
 気軽にでき、いいことをしているという気持ちの中に、おごりや甘えがあったのかもしれません。私たちの手作り弁当を楽しみにしてくれている人たちがいて、そのために項張る活動そのものは楽しかったのに、割り切れない思いが残ります。

                   神奈川県 S・K 30歳 主婦
★助けられたことをきっかけに★

 阪神大震災で1か月間の避難所生活をした時、ボランティアの方に、本当にお世話になりました。
 それまでは、ボランティアとは特別なものと思っていましたが、日常の小さなことでも活動になり、役に立てると知りました。私にも何かできるのではと、生活が落ち着いたころ、ボランティア登録をし、以来、近くの知的障害者施設で食事作りのお手伝いをしています。食事作りは主婦の得意分野ですから、それを生かせるのは願ってもないこと。一度に十数人の食事を用意するのは大変ですが、連絡ノートに書かれた感想に励まされながら頑張っています。
 この5年間、私がしているのはほんの小さなことですが、喜んでくれる人がいるというのはうれしいものです。
           兵庫県 中村三千代 47歳 主婦
★福祉活動を再開したい!★

 中学2年の時、点字に興味を持ち、福祉会館主宰のボランティア団体に入会しました。そこで、目の不自由な人と一緒に山菜採りに行ったことがあります。
 それまで目の不自由な人と接したことがなかったので、かなり緊張しましたが、私が担当することになったAさんは、優しい笑顔であいさつされ、私の腕をしっかりつかんでくれました。私は安心し、かつ気合が入りました。
 約2`の山道は、Aさんの目の代わりとなり、木々や花の様子を話したり、時には触れてもらったりして、会話も弾み、楽しい時が過ぎました。いざ山菜採りになると、感触で山菜の種類を見分けるAさんが、私にいろいろ教えてくれました。その時のAさんは、とても生き生きしてステキでした。この活動を通じて、日ごろ見過ごしがちだった自然の楽しさ、人と触れ合うことの喜びを教わりました。
 私が福祉の仕事をしたいと思ったのは、その日がきっかけです。短大卒業後、4年間福祉施設で働きましたが、子育てが落ち着いたら、また始めるつもりです。


                    山口県 T・Y 26歳 主婦
★高齢者の笑顔に励まされて★

 夫と二人、特別養護老人ホームで音楽遊びをさせていただくようになって8年になります。慣れるまでは担当の1時間がとても長く感じられましたが、今では足りないくらいです。
 それまで目の不由由な人と接したことがなかったので、かなり緊張しましたが、私が担当することになったAさんは、優しい笑顔であいさつされ、私の腕をしっかりつかんでくれました。私は安心し、かつ気合が入りました。
 約2`の山道は、Aさんの目の代わりとなり、木々や花の様子を話したり、時には触れてもらったりして、会話も弾み、楽しい時が過ぎました。いざ山菜採りになると、感触で山菜の種類を見分けるAさんが、私にいろいろ教えてくれました。その時のAさんは、とても生き生きしてステキでした。この活動を通じて、日ごろ見過ごしがちだった自然の楽しさ、人と触れ合うことの喜びを教わりました。
 訪問は月1回。その月の暦のこと、季節の歌、合奏、体操、指遊びや言葉遊びなどをします。試行錯誤の連続ですが、毎回新たな発見や、利用者の笑顔と「楽しかったよ」「また釆てね」の言葉に支えられて頑張っています。
 ボランティアコーディネーター養成講座に通ったり、さまざまな本を読んだりするうちに、少しずつ自信もついてきました。高齢者の方から学ばせていただくこともたくさんあるので、これからも楽しく続けていきたいと思っています。

                 茨城県 杉山墨紗 48歳 主婦

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