毎日新聞−2000年(平成12年)10月27日(金)

「老象ホーム建設を」

仙台で「ゾウ会議」  42施設担当者集う

 動物園など全国42施設のゾウ飼育担当者が集まる「第10回ゾウ会議」(日本動物園水族館協会主催)が26日、仙台市青葉区の同市戦災復興記念館で始まり、「高齢化ゾウの飼育」をテーマに話し合いが行われている。27日まで。

 ゾウの寿命は50〜60歳と言われ、現在国内にはアジアゾウ56頭、アフリカゾウ86頭がいる。戦前から各地で飼われるようになったアジアゾウが高齢化し、40歳以上のアジアゾウは14頭。八木山動物公園飼育課普及係の菊地和男さんは「アフリカゾウも含め深刻な問題」と危機感を募らせる。

 研究発表では、「ゾウが安心して募らせる『老象ホーム』の実現を」(市原ぞうの国)「上あごの歯が2本とも脱落したゾウに、リンゴやサツマイモなどを砕いた特別食を与えている」(井の頭自然文化園)などの取り組みが報告された。

 八木山動物公園はインドゾウ2頭とアフリカゾウ3頭がいるが、インドゾウの「トシコ」は推定45歳。阿部敏計・飼育第2係長は「各施設の取り組みを見て大変参考になった」という。27日はエレファント・トーク代表の川口幸男さんの「ゾウと共に40年」の講演などがある。

    【関 伸一】

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