毎日新聞−2000年(平成12年)10月27日(金)

被害者の両親が1億円賠償提訴
    −桶川事件−

 埼玉県桶川市で昨年10月、跡見学園女子大2年の猪野詩織さん(当時21歳)が殺害された事件で、詩織さんの両親が26日午前、殺人、名誉棄損などの罪に問われた同県川口市前野宿、元東京消防庁消防士、小松武史被告(34)ら17人を相手取り、慰謝料など1億1460万円の損害賠償を求める訴松を浦和地裁に起こした。26日は、詩織さんが殺害された日で、両親は一周忌に提訴に踏み切った。

 訴えたのは、同県上尾市泉台3の憲一さん(50)と妻京子さん(50)。

 訴状などによると、小松被告らは昨年7月13日、交際中の詩織さんから別れ話を持ち出された弟の小松和人元容疑者(当時27歳)=今年1月に北海道・屈斜路湖で自殺=と共謀し、詩職さんの自宅周辺などに中傷ビラ計約400枚をばらまいたほか、昨年8月22日ごろには憲一さんの勤務先などにも中傷文書約790通を郵送。同10月26日午後0時50分ごろ、JR桶川駅前で、詩繊さんの胸や背中をナイフで刺して殺害した。

 訴えられた17人には、小松被告の両親も含まれる。

 県警提訴も検討

 会見した憲一さんは「適正に捜査が行われていれば、娘は死ななかったという思いがある」などと述べ、今後県警(県)を提訴の相手に含めることも検討していることを明らかにした。

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