河北新報−2000年(平成12年)10月07日(土)

くらし

   わたしも母さん理髪店

−G・H(主婦)39歳

  私は現在中学1年になる息子の髪を13年間もカットし続けています。

  小学3年のころまでは、前髪だけバサバサに残し、あとは短くすっきりとバリカンで刈るので簡単でした。それが年々注文が多くなり、今では「バリカンはノー!」「前髪は立つように」「もみあげは長く」「全体に短くならないように」と、注文の多いお客様になりました。

  でも、携帯型ゲームをしながら(おとなしく)カットをしてもらう姿を見ていると、一応13年間のカット歴は信用されているのだなとうれしく思います。

  身長もどんどん伸びて、足も我が家では一番大きくなり、日々男らしく成長している息子。それでもまだ、幼い横顔を見ていると、もう少しの間息子の髪や顔に触れていられることをうれしく思っています。

いっぽのコメント
 親子の関係なんて他愛もないところで結びついているのだと思う。息子にとっても素人の母親に髪を切られ、恥ずかしい思いをしたこともあっただろうに、それを乗り越えて身を委ねている。母親は母親でそんな息子の髪や身体に触れられることを喜んでいる。
 物や金銭の伴わないところの、心と心のぶつかり合い、触れ合いが、今子供達が一番望んでいるところではないだろうか。
 多分、この子は母親に手を上げることはあるまい。

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