アレルギーっ子の生活

<05-24     2001年11月11日(日)公開>

【家族・親族の交通整理】

 アレルギー性疾患を治療するため食事を変えようとすると、まず壁として立ちはだかるものは、一緒に暮らす祖父母です。戦後の食糧難に子供時代・青年時代を過ごし、「食べること=生きること」の感覚が強い現代の若いおじいちゃんおばあちゃんたちに、栄養があるといわれる牛乳や卵を止めること、食べたくても食べられなかった甘いお菓子を止めることはかなりの抵抗があるようです。「食べられないこと=栄養失調」という考え方が頭から離れません。
 戦後の「栄養改善運動」なるものの中で、ご飯と味噌汁を食べることは貧困の象徴と教えられ、米を食べると頭が悪くなるとまで言われたのです。そんな人たちに、ご飯と野菜たっぷりの味噌汁はほんとはすばらしい価値を持っていること、牛乳や卵は食べ過ぎると病気を起こすことをわかってもらうことは至難のわざかもしれません。何とか納得してもらえるまで、または、それができなくても、せめて親のやることを暖かい目で見守って欲しいことを話して理解してもらわなければいけません。アレルギーの治療に関することは、今まで良いと信じてやってきた生活方法を変えなければいけないことにつながります。
 そんな時、嫁である母親が、父方の祖父母に話すことはできません。父方の祖父母には父親が、母方の祖父母は母親がきちんと話をして、気持ちの交通整理をして下さい。親の力を見せる時です。よく、アレルギーっ子の母親が孤軍奮闘して父方の祖父母に立ち向かっていることがあります。母親が、アレルギーの原因である卵や牛乳や甘い物お菓子を食べさせないで、野菜を食べさせようとしても、「かわいそう」の一言でこっそりとお菓子を与え病気をひどくさせるお年寄りたちに何とかわかってもらおうと頑張っています。そんな時は、やはり父親の出番です。父親がアレルギーのことを理解し、祖父母に話をして、わかってもらえるように努力をして下さい。これは、とっても大切なことです。

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