アレルギーっ子の生活

<05-04     2001年10月07日(日)公開>

【洗剤の話】

 私たちの身のまわりには、洗剤が溢れています。しかし、洗剤(界面活性剤)は使い方を間違えるとアレルギーを悪化させます。

合成洗剤は次のように表示されています。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Na(ABS、LAS)
高級アルコール系(AS、SAS、AES)
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(POER)
ラウリル硫酸ナトリウム
トリメチルアンモニウム
トリエタノールアミンなど

 シャンプーや汗で溶け出した衣類の洗濯用洗剤・柔軟仕上げ剤、台所用洗剤は、皮膚の細胞を壊し、湿疹を悪化させ、細菌やカビの感染を起こしやすくします。すすぎ不十分、または柔軟仕上げ剤を使った服を着て、服のあたった場所が湿疹になりませんか? お母さんが柔軟仕上げ剤を使った服を着ていて抱っこした赤ちゃんが服にホッペを擦りつけ、赤ちゃんのほっぺが真っ赤になっていませんか?

 食器に付いた洗剤、練り歯磨きから腸の中に入った洗剤、食品中に添加される乳化剤は、油と水を仲良くさせる働きがあるため、腸粘膜からの未消化のタンパク質や異物の吸収を高め、食物アレルギーを起こしやすくします。合成洗剤の安全な使い方を知っていますか?合成洗剤の容器の裏に使い方が書かれていることを知っていますか? 水1リットルに1〜2mlを溶かして使わなければいけないことを知っていますか? スポンジに原液をブシュっと出して使うと安全使用濃度の約600倍もの濃度になることを知っていますか? その方法で食器を洗って簡単に水で流しただけでは食器に洗剤が残り、その食器を使って食べ物を食べたヒトの腸の中に入ってしまいます。

乳化剤の入っている食品
 ガム・ピーナッツバター・アイスクリーム・チョコレート・マーガリン・パン・ビスケット
インスタント食品等、水と油脂が混在する食品
卵(“レシチン”という天然の乳化剤)

 石けんは天然油脂とアルカリから時間をかけて反応させたものです。利点は、浄能力が高く、自然分解が早いため体や環境により悪影響が少なくなることです。欠点は洗浄能力が高いため、長時間触れていると皮膚が荒れてしまことです。使い方を充分勉強してから使いましょう。シャンプー・洗濯用洗剤・歯磨き粉・台所用洗剤・掃除用洗剤などは石けんでできた物を使いましょう。石けんは「脂肪酸ナトリウム(固形)、脂肪酸カリウム(液状)」と表示されています。

 合成洗剤は天然油脂または石油から高温で短時間に作られたものです。分解しにくいため、皮膚についたまま洗い流さないと皮膚に障害を起こします。合成洗剤は洗浄能力を保ったまま川や海の水に投げれ込み水を汚染し、環境を悪化させます。

 洗剤を使用する場合はなるべく石けんを使い、合成洗剤は使わないようにしましょう。ただし、石けんの使い過ぎも控えましょう。石けんを作る時に使われたアルカリが反応しきれずに残っていることがあります。そのような石けんは使用すると皮膚を損傷します。このような場合は使用を中止します。注意して使いましょう。

合成洗剤はアレルギーを悪化させます
商 品 症    状
シャンプー 毛髪・皮膚を壊しアトピーを悪化させる
洗濯用洗剤
入浴用石けん
歯磨き剤 腸粘膜を壊し食物アレルギーを悪化させる
台所用洗剤
食品中の乳化剤 腸粘膜を働きをおかしくさせ、未消化の食べ物の吸収を高め食物アレルギーを悪化させる
柔軟仕上げ剤 皮膚を壊し、アトピーを悪化させる
掃除用洗剤 皮膚を壊し、アトピーを悪化させる

                                                     (参照→水の話

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