アレルギーっ子の生活

<04-19      2001年06月17日(日)公開>

【アレルギーっ子と牛乳】

 はたして、牛乳はアレルギーっ子に必要でしょうか? 牛乳を「完全栄養食」と信仰して、そこから抜けられない人ほどアレルギーが良くなりません。他の動物の“乳”を飲むことについて、哺乳動物としてのヒトの生態、カルシウム摂取の量的なことから考えてみたいと思います。

 哺乳動物の子供は、生まれてすぐには親たちと同じものを食べません。ヒトを含め哺乳動物のお母さんは乳を出して子供に与えます。そして、消化機能がしっかりしてくるにしたがって、徐々に親と同じ物を食べるように躾ていきます。最後に、親と同じ物を自分で手に入れ食べることができるようになると乳から離れ、“自立”します。哺乳動物の“乳”はどんなに悪い食物環境下でも子供を確実に育てるため獲得したすばらしい進化の結果と思われます。
 しかし、この地球上のいかなる哺乳動物も、いったん乳離れをすると二度と乳を口にすることはありません。ライオンのお父さんはどんなにお腹が空いても、お母さんライオンのところに行っておっぱいを飲むことはありません。牛のお母さんだって、いい牛乳を出すために牛乳を飲んだりしません。牛のお母さんの食べ物は草などの植物であり、ライオンのお父さんの食べ物は新鮮な動物の肉や内臓だということを動物たちはわかっています。
 では、ヒトはどうなのか? こんな実験で試してみました。小児病棟の学習会で看護婦さんと小児科のお医者さんを集めて各社のアレルギー用ミルクの試飲をしました。産科病棟のピチピチの若い初産婦さんの母乳を貰ってきて、他のミルクと一緒に並べておきました。(もちろん、肝炎などウイルス感染のない人の母乳です。)そして、「これは人間のお母さんのおっぱい」と説明して、飲みたい人を募りました。名乗りをあげたのは、興味を持った年配の女医さん一人だけでした。独身の若い看護婦さんも子持ちの看護婦さんも男の医者も「気持ち悪い」と誰も飲もうとしません。これはおそらく、哺乳動物のヒトとしては正常な反応でしょう。大人になった動物が、お腹が空いたからといって母乳を飲んでしまえば、その動物は絶滅の道を歩むことになります。哺乳動物として本能的に赤ちゃんが飲むべきである母乳を飲むことを避けているのです。そこで、嫌がる若い先生と看護婦さんに無理にお願いして飲んでもらいました。そうすると、結構甘くておいしいとわかります。牛乳を飲みなれている人はこれで余り抵抗がなくなってしまいます。「へー、おいしいんだ」と感嘆の声をだします。
 これが牛乳だと勝手が違います。「これはどこそこのいい飼料で育てた最高の牛乳で…」と説明すると、「牛乳は健康にいいから飲まなくちゃいけない」と知識を植え付けられている人たちはみんな飲みたがります。この反応は、人間特有のものです。
 地球上のいかなる哺乳動物も他の種の動物の乳を飲むことは自然界ではありえません。
 ヒトの場合、母乳が赤ちゃんの食べ物です。赤ちゃんはお母さんから愛情いっぱいの母乳をもらい、ゆっくりと育っていきます。やがて、生後6か月を過ぎる頃から米や野菜のスープを食べはじめ、1歳を過ぎる頃に親と同じ物を食べるようになり、断乳となります。このとき、母乳を牛乳(つまり牛の母乳)に代えようと考える人がいますが、これは間違いです。母乳の代わりは親が食べるもの、つまり日本人の場合は米や野菜中心の食事なのです。やっと人間の赤ちゃんを卒業したのに、わざわざ牛の赤ちゃんにしなくてもいいでしょう。ご飯や野菜をしっかり食べさせて人間の子供に育てるようにしましょう。

★消化酵素の推移(哺乳動物としての当たり前の変化)★

 哺乳動物は母親が食べ、それを母乳という赤ちゃんのための特別食に作り替えて子育てをします。哺乳によって、両生類や爬虫類に比べてどんなに過酷な条件の下でも子孫を残すことができるよう進化しました。哺乳動物の赤ちゃんは母乳に含まれる“乳糖”をエネルギー源とするため、乳糖分解酵素を持っています。この酵素は乳児期が過ぎて乳離れすると活性が急激に落ち、その動物の成体が食べる食物を消化できるように消化機能が変化していきます。ヒトの場合は乳糖に変わって、でんぷんを分解するアミラーゼの活性が高くなります(唾液と膵液、2ヵ所で分泌されます)。これはヒトが穀物や芋類をエネルギー源として食べるように地球上で定められている事を意味しています。肉食のライオンは成体になれば肉を、草食の牛は成体になれば草を食べるように消化機能は変化します。牛のお父さんもお母さんも牛乳を飲むと生きていけないことを知っています。成体になってから“乳”、しかも他の種の動物の乳(牛乳を)飲む生き物は地球上にヒトだけです。

ヒトの消化酵素活性の強さ 人類発祥の地はアフリカだといわれています。そこでは、穀物や芋、豆などのでんぷん質を主食としエネルギーを獲得しています。私たちが住む日本も似たような食材からエネルギーを得ています。しかし、ヒトは地球上を移動し、様々な地に故郷を求めました。北に向かったヒトは生活に必要なエネルギーを穀物に求めようとしましたが、寒冷な気候では稲は育ちません。そこで、寒冷でも育つ麦にエネルギーを求めたのです。ところが、小麦は収穫後に1年間休耕をしなければいけません。そのため、休耕地に牧草をはやし、牛に食べさせ、牛の肉と牛乳をエネルギーの一部に利用しました。しかし、牛乳に含まれる乳糖は、ヒトでは赤ちゃんしか消化吸収し栄養とすることができません。小さいときから牛乳を飲み続け、赤ちゃんの乳糖分解酵素の活性を大人になっても維持し続けることができたヒトだけが牛乳のエネルギーを利用でき、寒冷の地で生存できたのです。
 したがって、現在のヨーロッパの人たちやアメリカ人、チベットなどの遊牧民の人たちだけが、大人になっても赤ちゃんと同じように乳糖を分解する能力をもっています。日本人は、牛乳を飲まなくても米や芋類・豆類から十分なエネルギーを得ることができるため、牛乳を飲む必要はなかったわけです。つまり、エネルギーを得るための主な食べ物(主食)は日本では“米”ですが、牛乳文化であるヨーロッパでは“小麦+肉+牛乳”ということになります。
 野菜や海藻が豊富な南の地域、とくに日本では、野菜たっぷりの味噌汁からカルシウムなどのミネラルやビタミンを十分に摂ることができます。日本人が飲めない牛乳を無理して飲んで、カルシウムを摂る必要はないように思います。牛乳は野菜たっぷりの味噌汁が飲めない場合の代用品と考えることができます。日本人は数百年以上も前から食べ続けた味噌汁を十分に食べることが大切です。
 生活環境の違いがある北の地域の食べ物を、“欧米並みの食生活”を目指して無批判に“健康にいいもの”として取り入れてしまったことが、現代のアレルギー性疾患やさまざまな成人病(生活習慣病)などの増加につながっていると考えられます。

★大人の乳糖不耐は正常なヒトの姿★

 日本人は約8割近くの人たちが牛乳に含まれる乳糖を分解する能力を持っていません。赤ちゃんの時は全員が持っていた乳糖分解酵素の活性が、大人になるとなくなるためです。乳糖不耐症という病名がつけられていますが、この状態は哺乳類であるヒトの大人にとっては正常な状態です。牛乳を飲み、乳糖をエネルギーとして利用できることが生きていくために欠くことのできない条件であった欧米の人たちにとっては、乳糖不耐症は病気なのかもしれません。乳糖不耐があると、乳糖が多く含まれた牛乳を飲むと食中毒(急性腸炎)と同様の症状が現れます。「お腹がゴロゴロする」、「お腹が痛い」、「おならがよく出る」、「下痢」、「吐き気」などです。乳糖が分解できないため、腸内での状態が悪くなるために起こる症状です。
 また、乳糖を分解できない人が牛乳を飲んでも、含まれるカルシウムはうまく吸収できず、かえってカルシウムがなくなってしまうことが報告されています。お年寄りの方たちにアレルギーの話をする機会がよくあります。その時に、この話をすると様々な反響があります。その中でよく聞く話があります。それは、健康のためと牛乳を飲みはじめたお年寄りが数か月後に骨折をするというものです。飲めない牛乳を無理して飲んだため、お腹の具合が悪くなり胃薬や下痢止めを飲む、お腹の具合が悪く野菜や海藻、小魚が食べられない、そんなことが重なり具合はさらに悪くなっていくようです。
 ヨーグルトは牛乳を乳酸菌で発酵させてあり、乳糖もぶどう糖とガラクトースに分解されているため、乳糖に関しては乳糖分解酵素の活性がなくても食べることができます。ところが近年こんな報告もありました。乳糖を分解できないヒトではガラクトースの処理もうまくできないため、ガラクトースが目の水晶体にたまり、白内障を起こす例があることがわかったのです。
 適度のカルシウムは野菜や海藻のたっぷり入った味噌汁からとるようにしましょう!

★牛乳文化の国の栄養バランス★

 牛乳文化の人たちの栄養バランスは母乳栄養の赤ちゃんの栄養バランスと似ています(脂肪が多く炭水化物が少ない)。図にあるように、ヒトの母乳のエネルギー比は炭水化物44%、脂肪49%、蛋白質7%です。大人になったアジアの人たちの栄養バランスは炭水化物72〜76%、脂肪12〜18%、蛋白質9〜10%と、蛋白質はほぼ同じで脂肪が減り、炭水化物が増えます。ところが牛乳文化である欧米の人たちは炭水化物40〜46%、脂肪40〜47%、蛋白質11〜12%と、ヒトの母乳の栄養バランスに似ています。つまり、牛乳文化の人たちは大人になっても母乳と同じバランスで食べ続けていることになります。
各国のエネルギー構成比と母乳・牛乳の構成比 自然界においては、脂肪を十分に食べるわけにはいきません。したがって、赤ちゃんがどんな悪環境中でも健康に育つようにと、自然界における哺乳動物の母乳は、その動物の、一生の生活の中で食べる食品のうちで、一番脂肪濃度が高くなっています。例えば、草食の馬では1.6g/母乳100ml、インドゾウでは0.6-6.2g/母乳100ml、ヤギ4.1g/母乳100ml、牛3.8g/母乳100mlと少ないのですが、肉食のコヨーテでは10.7g/母乳100ml、ライオン18.9g/母乳100ml、ピューマ18.6g/母乳100mlと多く、魚を食べるカリフォルニアアシカでは36.5g/母乳100mlにもなります。霊長類では、オランウータンが3.5g/母乳100ml、100%植物食のゴリラは2.2g/母乳100ml、ヒトが4g/母乳100mlであり、草食動物に特徴的な、低い脂肪含有量の母乳です。それぞれの動物は成長すると、母乳中より少ない脂肪含有量の食べ物を食べるようになります。もともと、脂肪の少ない食べ方をしてきた日本人が、牛乳文化の人たちの特徴である高脂肪の食べ方を安易に真似すると、ヒトの消化機能に過大な負担をかける可能性があります。さらには、近年、動物性脂肪中にはダイオキシンやPCB、有機塩素系農薬(DDTなど)などの脂溶性の環境汚染化学物質が生体濃縮されて蓄積し、動物たちの内分泌機能をかく乱していることもわかってきました。ヒトの食性を無視した脂肪過剰の食べ方は避けなければいけません。

☆牛乳で起きた病気☆

牛乳に関しては色々と教えられる例がありますので、ここでちょっと見ておきましょう。

@妊娠中嫌いな牛乳を赤ちゃんのためにと無理して飲んだお母さんの話。
 お母さんは、牛乳が嫌いで飲めませんでした。飲むとお腹がゴロゴロして具合が悪くなってしまいます。でも、周りの人たちにカルシウムが不足すると言われ、飲めない牛乳の代わりにヨーグルトならばと多量(牛乳が合わない体質のお母さんにとって、一日一個のヨーグルトは多量です)に食べました。生まれてきた赤ちゃんは牛乳を拒否、つまり、牛乳アレルギーを起こしてしまいました。本来、お母さんの牛乳嫌いは自然の状態のヒトの姿です。牛乳を処理する力を持たないヒトが無理して牛乳を飲んだために赤ちゃんに負担がかかってしまったのです。自然界では妊娠したからといって、他の動物のおっぱいで栄養を摂ろうとする生き物はいません。お母さんは牛乳ではなく、たっぷりの野菜や海藻・味噌・汚染の少ない小魚などから適度のカルシウムをとればよかったのです。

A人工ミルクで貧血を起こした牛乳アレルギーの赤ちゃん。
 赤ちゃんに牛乳を与えると腸管出血を起こすことがわかってきたため、1996年から厚生省の離乳食の基本が「1歳以下の乳児には牛乳を与えない」ことに変更されました。牛乳にアレルギーがあると、牛乳だけではなく人工ミルク(牛乳蛋白質が使われています。最近、人工ミルクはヒトの母乳から作られていると勘違しているお母さんが増えてきています)でも同じようなことが起こります。牛乳(本人が飲んだ場合でも、母親が牛乳を飲んだ場合でも)や人工ミルクにアレルギーがあると腸管のアレルギーを起こし、腸管粘膜からじわじわと出血します。腸管粘膜は鉄を吸収しにくくなり、鉄欠乏状態になります。赤ちゃんで見つかる貧血はヘモグロビンが8〜9g/dl程度(正常では少なくても10g/dl以上)の軽いものです。牛乳アレルギーが強いと血液の蛋白質も腸管粘膜から漏れ出して減少し、全身がむくんだ赤ちゃんになってしまいます。

B赤ちゃんの血便。
 授乳中の母親が、赤ちゃんのためにと牛乳1リットルを毎日飲みました。生後1ヶ月の赤ちゃんは、目で見てもわかるほどの血便でした。色々調べましたが、一般検査では、特に異常は見つけられません。牛乳アレルギーを疑い牛乳製品をやめ、煮た野菜や味噌汁を十分に摂ってもらうようにしたところ、赤ちゃんの血便は無くなりました。しばらくして、お母さんがケーキを食べたところ、やはり赤ちゃんは血便が出てしまいました。赤ちゃんは牛乳アレルギーだったのです。毎日1リットルの牛乳を飲んでいたため、お母さんの食生活はメチャメチャでした。

C体がむくみ、喘息発作、発熱、肺炎を起こす遅延型牛乳アレルギーの子。
 次のような子どもが増えてきています。3歳の男の子がいました。気管支喘息があり、いつも発作で夜昼と病院にきていました。ダニのアレルギーはあり、対策は充分していましたが喘息はなかなか良くなりません。牛乳のIgEは陰性だったので、お母さんは牛乳を健康のためと毎日飲ませ、アイスクリームも頻回に食べていました。体はプクプクと腫れたような感じで、点滴の時は血管が見えず大変です。発作が起こるとゼーゼーや呼吸困難がひどく、なかなか治まらないためいつも入院になってしまいました。38℃程度の発熱のあることが多く、決まって肺炎も起こしました。実は、この子は牛乳の遅延型アレルギー(かくれ型)だったのです。牛乳を使ったリンパ球刺激試験は強陽性でした。牛乳を止めてからはピタっと喘息が無くなりました。体のむくみも良くなり、すっきりした顔つきになりました。その後、1回だけ入院しました。その時は、知らずに食べたソーセージの中に牛乳が入っていました。入院してから食べたものを調べ、それが怪しいということになり、ソーセージの成分表示を再確認してもらうと、やはり、牛乳が添加されていました。

D貧血気味で顔色が悪く、いつもおなかの調子が悪く、食が細い子。
 こんな子は牛乳を多量に飲まされている場合があります。食が細くごはんを食べないため、足りない栄養を補おうと牛乳を飲ませます。すると、食事の間にお腹は空きますが、牛乳のためお腹の調子が悪く、おやつには味が強く甘いお菓子や油の多いスナック菓子を食べてしまいます。これでお腹がいっぱいになり、食事の時にはご飯を食べられません。野菜も食べません。そこでまた牛乳を……。こんな場合は、まず牛乳やめてもらいます。牛乳をやめることでお腹の調子が良くなり食欲が増します。そうすると、野菜を食べられるようになっていきます。ご飯がおいしくなり、味の強いお菓子を食べる必要はなくなります。

E牛乳のかくれ型アレルギーがあり、扁桃腺肥大があり、扁桃腺炎を繰り返す子。
 牛乳の隠れ型アレルギーがあるのに毎日牛乳を飲んでいると、常に喉には異物(体にとっての敵)がいると身体が判断し、扁桃腺にはリンパ球が集まってきます。そのため、扁桃腺はいつも腫れています。牛乳アレルギーに力を使い果たしているため、抵抗力が落ち、すぐに扁桃腺炎を起こし、化膿し、熱が出ます。牛乳を止めると扁桃腺は正常にもどり、病原菌が入って来た時だけ腫れ、化膿しにくくなり、熱も出にくくなります。

F全身カサカサでコフキイモ、キナコモチ状態のアトピー性皮膚炎の乳児。食物日誌(例)
 牛乳の軽いアレルギーがあり、多量に牛乳を飲んでいる、または、アイスクリームやヨーグルトを多量に食べていると、全身がカサカサになっている場合が多く見られます。キナコモチとか、コフキイモのようです。牛乳アレルギーの典型的な肌です。

G牛乳多量摂取による牛乳貧血 13歳の女の子バレーボール選手。めまいと脱力感で受診。
 その女の子はバレーボールの選手でした。ここ1ヶ月前からめまいと脱力感が強く、練習ができなくなり来院しました。調べると、ヘモグロビンが6g/dlの強度の貧血でした。この子は背を高くしたいと1日1リットル以上の牛乳を飲み続けていました。牛乳には鉄分が少ないことを知らずに、牛乳を大量に飲んだため、野菜や海藻など食べ方が減り、鉄分の補給が減少したため貧血を起こした事がわかりました。鉄剤の投与と牛乳を止めて野菜類、海藻類、味噌汁を食べることで貧血は改善しました。

H牛乳アレルギーで腹痛・嘔吐・血便・腸閉塞を繰り返す子供。
 最近では、牛乳や卵のアレルギーで腹痛・嘔吐・血便を繰り返し、腸管の粘膜が腫れて、腸の通りが悪くなり、腸閉塞を起こす例も多くなってきました。血便がひどいと極度の貧血も起こしてしまいます。腸の閉塞状態は副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤などを使わないと改善しない場合も多く、入院を繰り返し重症です。

I思春期のかくれ型牛乳アレルギーによる貧血
 12歳男の子が立ちくらみで来院されました。アレルギー体質があり、ダニのアレルギーは強陽性でした。検査結果は血色素6.9g/dl(正常は12g/dl以上)の強度の鉄欠乏性貧血でした。血清中の鉄は正常の10分の1しかありません。大便を調べると血便があり、腸のどこからか出血していました。鉄を含む食品は多めに食べていましたが、鉄欠乏を起こしています。腸管粘膜からの吸収不全が考えられ、牛乳アレルギーによる鉄欠乏性貧血を疑いました。牛乳製品をやめて鉄剤を飲み、約3週間でほぼ正常に戻りました。牛乳のIgERAS(即時型アレルギーの検査)は陰性でしたが、リンパ球刺激試験(かくれ型のアレルギー検査)では349%(正常は180%以下)と陽性でした。牛乳を止めてからは血便もなくなりました。この子の家では体を大きくしようとして牛乳を毎日400〜600ml飲んでいました。さらには、牛乳を飲むと貧血が良くなるという間違った知識を持っていて、それが貧血をひどくさせた要因のようでした。牛乳を止め、野菜や海藻、味噌汁をきちんと食べることで貧血は起こさなくなりました。
 牛乳アレルギーの子ども達が増えています。牛乳のない哺乳類としての正常の生活、考えてみませんか?

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